テンジロウです。
2019年3月11日は俺にとって忘れられない日になった。
前回からの続きです。
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軽いパニック状態の俺は急いで職場を飛び出した。
とりあえず高校をナビで検索し、目的地設定をした。
高校周辺の土地カンが俺にはほとんど無い。
カーナビだけがたよりだ。
だが、高校に着いたとしてどうする?
長女がどこでどう間違えて行方をくらましたのかは皆目見当がつかない。
高校周辺に行くのが正解なのか、それとも乗り過ごした事を考えて終着駅方面に行った方がいいのか、はたまた全く別方向に行ってしまったのか。
いやいやいや、これマジ無理なやつじゃん。
時計を確認すると、もう9時20分。
9時30分まで、もう10分しかない。
もうダメじゃん、こんなの絶対だめじゃん。
こんな時って不思議だね、俺なんか鼻歌うたっちゃったりしてた。
「ふーんふふふーーーん」とか言って。
俺は極限状態になると鼻歌を歌うらしい。
だが俺の頭の中にはSLAM DUNKの安西先生の「あきらめたらそこで試合終了ですよ」のセリフがリフレインしていた。
俺には安西先生だけが心の支えになっていた。
程なくして、カーナビ画面に[乗り換えの駅]が表示された。
もしかして[乗り換えの駅]にいるかもしれないと思い、藁をもすがる思いで寄ってみた。
[乗り換えの駅]に到着したのが既に9時35分、終わった、全ては終わった。
9時30分を過ぎてしまった、時間切れだ。
試合終了だ。
まぁ負けた経験が財産になるし、いいよね。
長女はこの辺に、いるわけないよね。
うん、いない。
俺は妻に「[乗り換えの駅]に今来てみた」とLINEを送信。
すると妻から「私もあと3分で着くから待ってて」と返信。
少し待っていると改札から妻が出てきた。
妻「どうしよ、どうしよ、もう、どうしたらいいんだろ、長女一人で心細いよね、どうしよ、こんな事なら高校まで送っていけばよかった、どうしよ」
妻涙目、パニック状態。
俺「とりあえず車に乗って、高校に行こう」と妻を車に乗せた。
高校までは[乗り換えの駅]から約15分。
俺「周りよく見てろよ」
妻「うん、ああ、いない、いない」
高校の前にたどり着いたころには既に10時。
校門には「愛知県立高校入学選抜試験」の看板が。
俺は看板を何とも複雑な想いで見た。
ああ長女、どこいっちゃったのかなぁ。
10分程周辺を走ったが、見つからない。
俺「長女、諦めて家に帰るかも、一度家に向かってみようか」
妻「そうだね、もうこんな時間だから入試受けさせてもらえないだろうし、家で待ってよう」
やはり妻涙目。
俺達は周囲を探索しながら自宅方面へ車を走らせた。
この時、俺は1時間ほど前から便意を感じていたが、そんな事は今の俺にとってどうでもいい事であった。
俺は悟った、人間は便意以上の問題を抱えると、便意などどうでもよくなるのだと。
時計を見ると10時30分、もう俺たちは受験はあきらめていた。
塾に通い、一生懸命勉強していた事を考えるといたたまれなかったが、もう長女が無事に帰って来てくれればそれでいいと、一番辛く悔しいのは長女なのだと。
俺はそんな想いになっていた。
自宅に着いたが、長女は帰って来てはいなかった。
愛犬だけが俺たち夫婦の帰宅を喜んでいた。
妻「帰ってきてないね」
俺「うん、とりあえず俺トイレ」
俺がトイレでつかの間のプライベートタイムを過ごしていると妻の携帯の着信音が聞こえた。
妻の携帯に何処からか電話が架かっているようだ。
何を話しているかは聞こえない。
程なくして妻がトイレのドアをノックしまくる。
ドンドンドンドン!「テンジロウ!」
(入ってま~す、言うてる場合か!)
俺「どうした?」
妻「長女から中学校に電話があったって!」
俺「!」
どこから?
つづく
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