私が最初にハイスタを聞いたのは、
社会人になった1994年だったと思う。
仕事帰りに駅前のCD屋で、ミニアルバム「LAST OF SUNNY DAY」を買ったのが、
きっかけだった。
「LAST OF SUNNY DAY」Hi-STANDARD
当時はまだインターネットが普及しておらず、
情報収集は音楽雑誌からだった。
たしかメロディックハードコアなんて書かれていて、
今では定番の音楽ジャンルとなったメロコアだ。
当時の私にはどんな音楽なのかは分からなかった。
メロディックなハードコア?
当時の私にとってハードコアと言えば「GBH」や「DISCHARGE」などのゴリゴリ系。
メロディックといえば「X JAPAN」?って感じだった。
どちらも私の大好物。
そんなメロディックとハードコアの融合なんて想像がつかなかったが、
とても興味が沸いた。
そして当時GRAYやLUNASEAや小室ファミリーなどが全盛だったCD屋で、ひっそりと置いてあった「Hi-STANDARD」のミニアルバムを買ってみたわけだ。
ハイスタを聴いた第一印象は、あまりパッとしない・・・という感想だった。
簡単に言ってしまうと「思ってたのと違う」といったところ。
それでも何故か私はハイスタのミニアルバムを繰り返しヘビーローテイションで聴くようになり、程なくしてその後に発表されたフルアルバム「GROWING UP」も当たり前のように購入した。
当時ハイスタにそんなに熱中したわけでは無いのだが、何故か車の中ではヘビロテ。
私にとってはそんな不思議なバンドだった。
しかしそれ以降の私は、THE MAD CAPSULE MARKETSやラフィンノーズなどを狂ったように聴いていて、ハイスタからは少しずづ遠ざかっていった。
そして時は経ち2000年か2001年ぐらいに友達の車の中にて。
なんか妙にキャッチーでカッコいい曲がかかっていた。
なんだか懐かしい曲、だけど初めて聴くパンクロック。
「なにこの曲?」と私が聞くと、その友達は「ハイスタ」と。
「ハイスタ!?」
その曲はハイスタの「MY FIRST KISS」だった。
それは少年のころ放送されていたテレビアニメ「キテレツ大百科」のED曲「はじめてのチュウ」のカバーだ。
私は、そのハイスタのカバーセンスに衝撃を受けた。
それから私はまたハイスタのアルバムを引っ張り出し、
ヘビーローテイションするようになった。
そしてアルバム「MAKING THE ROAD」と「LOVE IS A BUTTLEFIELD」も速攻で購入。
「よしハイスタのライブに行こう」なんて思っていたら、ハイスタは程なく活動休止をしてしまいライブに行くことは無かった。
「Love is a Battlefield」Hi-STANDARD
そんな時、友達に教えてもらったバンドが「BBQ CHICKENS」。
なんとそれはハイスタのギター横山健が結成したハードコアバンドだった。
それは私が元々大好物だったゴリゴリのハードコア。
ハイスタのギタリストがこんな曲を演るのかと軽く衝撃をうけながら、
私はBBQを聴きまくることになる。
「INDIE ROCK STRIKES BACK」BBQ CHICKENS
そして数年後2003年ぐらいにリリースされたのが横山健こと「Ken Yokoyama」の
ソロファーストアルバムだ。
バンドサウンドやアコースティックサウンドなどハイスタにはない魅力が散りばめられた、いいアルバムだった。
「The Cost Of My Freedom」Ken Yokoyama
そして2005年のKen Yokoyamaのセカンドアルバム「Nothin' But Sausage」は「独りハイスタ」とでもいうべきサウンドだった。
ここで私に浮かんだのが、「こんなアルバム出すならハイスタやらないの?」という疑問だった。
そんな中、浮上したのが横山健と、ハイスタのベース難波章浩の不仲…。
難波さんが「ULTRA BRAiN」なんかをやっていた頃に、
ハイスタの版権をめぐって揉めたりしていた。
ああ、これはハイスタの復活は絶対に無いな、というのが当時私の感じたことだった。
「Nothin' But Sausage」Ken Yokoyama
それから私は「Ken Yokoyama」は何となく聴いていたけど、
ハイスタは余り聴かなくなったような気がする。
そして時は経ち、2011年。
日本人の意識を激変させたあの「東日本大震災」が起こった。
とんでもない災害だった。
冗談抜きで、この国は終わってしまうんじゃないかと思ったほどだった。
そんな中、日本の為にいち早く立ち上がったバンドがあった。
そうそれがHi-STANDARDだった。
絶対に無いと思っていたメンバーの再集結。
震えた。
「Live at AIR JAM 2011[DVD]」Hi-STANDARD
「Live at TOHOKU AIR JAM 2012[DVD]」Hi-STANDARD
そして翌年2012年に発売された「Ken Yokoyama」のアルバム「Best Wishes」は、
明らかに今までとは違う覚悟のようなものが感じられた。
震災が明らかに彼らの何かを変えたと感じた。
それからハイスタとしての新作リリースは特にはなかったが、
またまた「Ken Yokoyama」で申し訳ないが、次のアルバム「Sentimental Trash」が、
さらに素晴らしい出来だった。「I Won't Turn Off My Radio」のMVの中でハイスタの映像が使われるなど、日本のロックシーンを背負う覚悟のようなものを横山健から感じた。
「Sentimental Trash」Ken Yokoyama
そして2016年遂に、ハイスタのニューシングル「Another Starting Line」発売!!
続いてカバー曲で構成されたニューシングル「Vintage&New,Gift Shits」発売!!
Hi-STANDARDは完全復活の狼煙をあげた!!
震えた。震えた。震えたどころか激震した!!
日本中のかつてのパンクキッズたちが狂喜した。
「ANOTHER STARTING LINE」Hi-STANDARD
「Vintage & New,Gift Shits」Hi-STANDARD
そして遂に2017年ニューアルバム「THE GIFT」発表と、なんと全国ツアー開催!!
当然私は、ハイスタのライブ会場に足を運んだ。
ハイスタの初ライブ、17年越しの夢が叶った瞬間だった!
ライブの始まりから終わりまで、私はボロボロ涙を流していた。
いい年こいたオッサンが人の目も気にせず泣きまくっていた。
1994年にハイスタと出会ってからの自分の人生での出来事が走馬灯のように蘇って、
本当に泣きまくってしまった。
なんだか勝手にハイスタと生きてきたような気になってしまって。。。
仕事で嫌なことがあった帰りの車の中でもハイスタがかかっていた。
嫁と付き合っていた時の車の中でもハイスタがかかっていた。
なんなら結婚披露宴でもハイスタをかけたし、
単身赴任に出る新幹線の中でもハイスタを聴いていた。
ハイスタのライブを観ながら、そんなことを思い出していた。
そんな素晴らしい曲たちを、ハイスタンダードが私の目の前で生で演奏しているのだ。
泣くなという方が無理な話だった。
「Live at YOKOHAMA ARENA 201812222」
これからもHi-STANDARDは時を刻み続けるだろう。
新作は出るのか、活動が続くのかは今はまだ分からない。
しかし解散はしないとの情報が入ったのでとてもうれしい。
他に類を見ない最高の3ピースパンクバンド「Hi-STANDARD」。
まだまだ私は聴き続ける。
よっしゃこい。
「Live at AIR JAM 2000」Hi-STANDARD