地と風

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今が冬なのか春なのかもわからない。

まだ途轍もなく永い冬の最中なのか。

それとも一瞬で過ぎていく短い春は、すでに始まっているのか。

もう感覚がなくて、なんだかよく分からない。

自分の心が軽やかなのか重苦しいのかもわからない。

それは周りに比べる対象がないからか。

周りに誰もいないからか。

仮に誰かがいたとしても・・・

いたとしたら、その瞬間から心は重くなってしまうはず。

だから今の心の状態を理解することはどうしてもできない。

風の時代とか言われている・・・

今は・・・風の時代なのだろうか・・・

「風の時代にのっていこう」とか言っている人が沢山いる。

「軽やかに生きていきましょう」とか言っている人が沢山いる。

私もそう思っていた。

強くそう思っていた。

風の時代の流れに乗っていこうと思っていた。

でも気がついたんだ。

私は生まれながらの「地の時代」の住人だったということに。

いや違う。生まれながらの「地の時代の奴隷」だったということに。

地の時代から風の時代に変わったと言われている。

確かに時代は変わったのだろう。

喜ばしいことだ。ワクワクする。

でも忘れてはいけないことがあるんだ。

風の時代が始まったからといって、決して地の時代の呪縛から解放されたわけではないということ。

風の時代が始まったからと言って、地の時代が完全に終わったわけではないんだ。

地の時代は決して奴隷の私を解放したわけではないんだ。

しかし、希望は見えている。それは間違いない。それは間違いない・・・

でも生まれながらにして植え付けられている奴隷根性を断ち切ることがこんなに困難だとは思わなかった。

今になって気がついたことがある。

五体満足で風の時代の流れに乗ることなんて、奴隷の私には無理だった・・・

腕の一本ぐらいは、くれてやらないと地の時代は私をゆるさない。

今、私は地の時代から左腕を掴まれている。

途轍もない力で掴まれている。

「たのむ離してくれ」と頼んだところで地の時代はゆるしてはくれない。

まだ他にも気がついたことがある。

私は恐らく地の時代を憎んでいる、そして恐れている・・・

私は地の時代の奴隷なんだ。

左腕の一本ぐらいは、くれてやるしかない。

離してくれないのなら、引きちぎってでも前に進むしかない。

恐れを棄てて前進するしかない。

私は奴隷。地の時代の奴隷。

風の時代に行くためには、掴まれた左腕を引きちぎり、血ヘドを吐きながら汚物をかきわけ、残った右腕でその重い鉄の扉を開けなければならない。

風の時代に行くために。

なんか矛盾している・・・矛盾ばかりしている・・・

きれいごとばかり言っている奴は大体ウソだ・・・

ダークサイドを認めなければ前に進むことはできない。

表があれば裏がある。

表だけのコインは無いし、裏だけのコインもない。

光があれば闇もある。

闇にとっては光が闇であるし、光にとっては闇が闇だ。

今日は魂が少し騒がしい。

生き血を啜った地の時代が、風の時代の礎となる。

地の時代なくして風の時代はない。

地の時代を生きた先人の魂が風の時代を支えていく。

今、私を動かしているのは魂の怒りか・・・

ダークサイドを否定してはいけない・・・

地の時代が私を闇へ誘う・・・