あと1か月余りで、私は23年お世話になった会社を退職します。
退職理由は一言では言えないし、ここで垂れ流すような事でも無いと思っている。
「会社には感謝しかありません」というと嘘くさいけど、感謝している。
私をここまで育ててくれて、色んな経験をさせていただいた。
どれもこれも、この会社に入らなければ経験できない事ばかりだった。
そして面白いことに、退職を決めると今まで見えなかったことが見えてくる。
例えば人間関係。
意外な人が、私を気にかけてくれていたことに気づく。
そこまで仕事で関りがなかった人から個人的に食事に誘っていただき
手厚い餞別まで頂き、正直驚いた。
そして「会社辞めてからも、また絶対に飲みに行こう」と声をかけて頂き、
有難い気持ちでいっぱいになってしまった。
多くの人から「困ったことがあったら連絡しろ」とか
「次の会社が合わなかったら戻ってこい」などの
本当に涙が出るほど温かい言葉をいただき、
少し後ろ髪を引かれる想いにもなってしまった。
そして何とも驚いたのが、辞める私にボーナスが支給されたことだ。
何年か前、同じような時期に辞めた社員には
ボーナスが支給されなかったと噂を聞いていたので、
私には当然ながらボーナスは無いと思っていた。
しかし本日、あと1か月で去っていく私に会社はボーナスを支給してくれた。
会社にとってはもう既に私のモチベーションを上げる意味など無いはずなのに。
もう既に私の生活など関係ないはずなのに。
会社にとって何のメリットもないはずなのに。
私は会社のことを少しだけ誤解していたのかもしれない。
私も現金なものだ・・・ボーナスだけに・・・
会社に対するネガティブイメージが全部吹っ飛びそうな衝撃を受けてしまった。
社員のことを考えてくれる素晴らしい会社を、私は自らの意思で去ってしまう。
会社にしっかり感謝をして。
この会社の出身者として恥じない働きを次の会社でしようと思う。
退職を決めてから気がつく、「会社の良さ」。
感謝をして頭を下げて次に行きます。
23年間も私の面倒を見てくれた会社に感謝である。